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マリアビートル|伊坂幸太郎

マリアビートル (角川文庫)

マリアビートル (角川文庫)

ついつい最後まで読んでしまって寝そびれた…
オー!ファーザーとかバイバイ、ブラックバードとか最近のは初期の頃と同じ安定感があって伊坂幸太郎読みたいなーと思って読むと伊坂幸太郎だーと思って安心する。
そもそもがグラスホッパーの一応続編ということもあって前作に登場したキャラクターの名前がちらほら出てくるとかそんなんもう読むしか無いじゃん!みたいな感じ。スターシステムとかアンサーソングとかそういうのに弱いんだよ!ミーハーだから!

どんだけ伊坂幸太郎好きだよ…と文庫新刊を見かけて買う度に思ってしまうわけだが、マリアビートル読んでみて考え方が近いから好きなんだろうなーと感じた。正直者が馬鹿を見る世界はどうにも腑に落ちないからせめて小説の中だけでもなんとかなってて欲しいよね、という希望をちゃんと汲み取ってくれるところだとか、「なぜ人を殺してはいけないのか?」はもう使い古された疑問で誰しも一度は考えたことがあるだろう話なんだけど、何通りかありうる答えの中で同じ結論に至ってくれるところとかスッキリする。

それから読んできた小説で気に入っている作者が近いという部分があって、本好きのキャラクターがドストエフスキーやら三島由紀夫やらを引用するのにはニヤッとさせられた。

さらに言えば登場人物の視点が章毎に切り替わるタイプの小説が多いけど文体を自然に、それでいて意識的に変えるのが上手い。ある登場人物の章だと一切カギ括弧無しの地の文で会話を進めているとかルールをちゃんと決めて書いてるので芸が細かい。

ひとしきり褒めそやしたけどつまるところ「僕がもし小説が書けたらこうなるだろう」ということもなんとなく伝わってきて、いやまあ実際僕は小説書けないんだけれどもそこが論点ではなくて、読んで視野が広がったり新たな価値観を知ったりするわけではないのであくまでも(自分にとっては)エンターテイメントであるなあという感想も持つわけです。
なので自分には5冊に1冊くらいでちょうどいいなと思った。最近3冊に1冊くらいのペースで伊坂作品だったのでもっと他の作者を読もう。