ライフログもどき

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あるキング|伊坂幸太郎

シェイクスピアマクベスがベースになってるんだけどマクベスは未読なので他のシェイクスピア作品を踏まえた上で。

冒頭から何回も引用されている"Fair is foul and foul is fair"がテーマの作品であることは間違いなくて、その引用で結局何が言いたいのかというとつまるところシェイクスピアへのリスペクトとかオマージュとかそんな感じでいいのではないかと個人的には読んで思った。

ロミオとジュリエットマクベスと並んで四大悲劇の一つに数えられているものの、登場人物がどれだけ単純なんだよとか人の話聞かないんだよとか突っ込みどころ満載な感じである視点で見れば喜劇にしかならないよねという読み方もできる。リア王も同じで全部お前が悪いんじゃねーか何悲しんでんだよという面もあって、そういう一元的じゃないところがシェイクスピア劇の内容に留まらない魅力でそれを伊坂幸太郎なりに解釈して再構成しました、というような印象。

話の展開としてもいわゆる親との決別や障害を乗り越えた上での主人公の成長みたいなお約束をあえてモロにそのまま書いている。

 

ところどころの伊坂節は健在なので伊坂ファンなら読んでもいいと思うけど面白いか面白くないかで言えばあまり面白い方ではないのでファンじゃなかったらべつに読まなくていいな、という作品。