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ハーモニー|伊藤計劃

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 

伊藤計劃はこれからの本格SFの旗手となる人だった。一冊でその実力がわかるだけに実に惜しい人を亡くしたとしか言いようがない。

 

序盤の出だしはセカイ系のパロディか何かかと思うほど軽いノリで、舞城王太郎谷川流をネタにしてる部分を読んだときは正直嫌いじゃないけどあらすじから予想されるディストピアものとは似ても似つかないし登場人物の名前ラノベみたいだし詐欺じゃねーかこれと思った。

それが物語を通して語られる事件が始まると同時に作品の色は大きく変わり気付けばディックを読んでいるようなスピード感、オーウェルを読んでいるような絶望感とともに作品が進んでいく。この裏切りの甘美なことよ!

 

虐殺器官は逸る気持ちを抑えてもう少しギブソンアシモフあたりを読んでからかかろう。この人の小説はこれまでのSF有名作を読めば読んだ分だけ楽しめそうだ。